国産ワクチンが望まれますが・・・

 「予防にまさる治療なし」を提唱される峰先生のワクチンに肯定的な話を伺いました。健康保険制度が充実している日本は例外的であり、世界ではちょっとした病気でも高額な医療費の負担を強いられるので、ワクチンで予防することの経済的利点が大きい訳です。あらゆるワクチンの総論としては、とても頷ける話でした。

50分過ぎから

 そのため安全性に議論が残っているとは言え、今回の遺伝子ウイルスについてもほぼ同じ論調なのですが、やはり日本の場合は例外かと思いました。安全性については、FDAは承認していないのですから、緊急を要したために例外的に規定の手続きを踏んでいませんので、ほぼ打ち終えているカナダやイスラエルを参考にするしかないのが現実的でしょう。

 しかし、それらの国が打ち終えた状況においてすら、日本の感染状況よりも悪いのが現実です。つまり日本のような死亡率の低い国でワクチンが本当に必要なのか疑問です。そもそも日本はパンデミックではないと言えますし、特に、二十歳以下の死亡者ゼロの状況に対しては、現状の遺伝子ワクチンを接種する方が危険であると言えるでしょう。

 以上のことを踏まえてみると、それでもワクチンというのであれば、充分に安全性を確認した国産ワクチンの登場が待たれます。しかしながら、今、国産ワクチンに大きな壁があることを知りました。言われてみれば当然のことですが、現行のファイザー、あるいはモデルナの接種が進んでしまうと後発のワクチンを治験するための未接種者を確保できないことになってしまいます。

 国産ワクチンの実用化を阻む2つの障壁(メディアスホールディングス株式会社HPより)

 やはり日本のような、重症化率や死亡数の少ないところでは、対処療法に有効な薬を揃えておくことの方が望ましいのかも知れません。