送金しても銃弾にかわる
春一番のときは暖かかったのですが、昨日今日とまた底冷えがします。昨夜の篠原氏の緊急生配信では、ウクライナ中西部の空港が8発のミサイルが撃ち込まれて破壊したらしいと伝えていました。ゼレンスキー大統領は既に国外に退避したとか、あるいはそれを否定する本人動画がSNS上にあったりして時系列の前後関係が分かりませんが、戦局が動いているのは事実でしょう。
これまでのプーチン大統領については、東部地区の内戦を仲裁するならまだしも、ウクライナ全土に侵攻するのはやり過ぎでしょう、戦争はダメでしょうということで、西側世論は概ねウクライナ側に支援する状況にあります。また多くの日本人の心情からは、日露戦争以来、先の冷戦時代から今日まで、ソ連およびロシアは永らく仮想敵国であり、敵の敵は味方という文脈でウクライナを見る先入観もあろうと思います。
しかしながら、だんだん事情が分かるにつけて「どっちもどっちじゃん」という思いも湧くのでした。例えば、北朝鮮に配備されているイスカンデルはウクライナから流出した疑いが濃厚であり、ウクライナと北朝鮮はわりと仲良しだったりしますので、敵の味方は敵ともいえるでしょう。
また開戦前に、実は米兵が200名以上も駐在して、東部の極右私兵集団に軍事訓練をしていたことが、バイデン大統領の引き揚げたというコメントから判明されたり、ウクライナのNATO加盟がまだ話だけのまとまっていない段階にもかかわらず、米英が実地でミサイル配備を進めていたことが判ったりしていますので、米英が火に油を注いでプーチン氏を煽ったことは事実の様です。
ゼレンスキー大統領は、はしごを外された形になっているのではないでしょうか。NATO軍に制空権を確保してもらいたいというような悲痛な発信がありました。ところが安易に介入すれば、NATO加盟30ヵ国が戦争状態に陥るのと同義になりますから、それは第3次世界大戦になってしまいます。プーチン大統領がイランの問題を口にし始めたのもそれに関係あるのでしょう。
そのような紛争両国に対して、砲弾ではないとしても防弾チョッキを送る行為は、国際法違反と言われても明確な反論はできませんし、また個人が送金することは明らかな国際法違反です。たとえお金をウクライナ政府に贈ったとしても銃弾に使われるに過ぎず、あなたは戦争に加担したことになりますので冷静に判断した方が良いでしょう。
その一方、経済から両国をみれば、日本はロシアと石油天然ガスの、ウクライナとは半導体原料の大切な取引国です。両国ともに経済交流が不可欠ですが、米軍のしっぽばかり追っているとえらい目に合いそうです。経済制裁はロシア市民とっては苦しくなるかも知れませんが、中共が抜け穴になりそうです。そして、ロシアの存立が生命線であるイランから表立った動きがないのは、実はまだロシアは劣勢ではない証拠かも知れません。日本の報道はかなりバイアスが掛かっていると感じます。