秋雨前線停滞中
ダボダボ、ダボダボとよく降ります。連日の雨で古傷の膝も疼きます。木曜は朝からカレコのヤリスクロスを借り出して古書会館に向かいました。前日の出品のうちボー(取引不成立)になった物を引き上げます。まさかの半分、カーゴ1台が出来ませんでした。
切り分けが上手く行かなかったと言うよりも、購買意欲の湧くような目ではなかったのでしょう。加えてそのうちの半分ほどは、背が薄らとタバコのヤニ焼けもありましたので嫌われたと思います。内容にもよりますが、特にタバコ臭の残るものは敬遠されます。ネットではまず売れませんから。
持ち帰ると完全に通路を潰す状況です。改めて内容を見ると、一般書の読み物、文庫、新書がまるまるダメで、大半を占めます。背やけもあり、ネットで売りきるのは厳しいでしょう。一般書はとにかくピカピカしていないと成立し難いです。店売りはどこも間に合っているでしょうし、催事屋さんは緊急事態宣言の影響で仕入れの意欲も弱いでしょう。
その他は、社会学の周辺ですが、流行を過ぎた分野などが売れ残った感じです。雨で来客も望めませんので、縛りを解いてじっくり検分して片付けることにしました。するとそれなりにネットでも使えそうなものも抽出できましたので、自分で売りなさいと言われている感じです。
書籍の販売は、新刊はもとよりネットの販売が主流になっています。そしてこのコロナ禍で、催事は中止になるし、店舗の集客にも影響が出ました。そのため店売りをやめたり廃業する同業が相次ぎましたので、雑多な本は行き場を失い、市場性がなくなっている様に思えます。
ますます一般書の出張買取が困難な状況です。その一方で、宅配便の買取が主流になったと言われています。しかしながら、今回の場合のように箱に詰めて送るのが煩わしいと言う研究者や蔵書家あるいは遺品整理は無くならないでしょう。どれだけ市場性のあるのものを引き取れるかで、ますます結果が乖離する感じです。
大変イヤな話ですが、昨年はコロナの流行ったおかげで超過死亡者数が減少したのですが、今年は既に東日本大震災時の超過死亡に匹敵する状況です。ある資産家YouTuberの言うには、この1年余りで資産が増えていない人はいないだろうと言い切っていましたが、誰かの資産は誰かの負債とも言えますので、社会は大きく歪んできていると思います。そして死亡数の増加や居住が流動することで、書籍の片付けのご依頼が増えると予想しています。
貴重な出物があるチャンスでもありますが、大量の雑多な書籍はますます値を下げることになるでしょう。