安全だが安心でない東京アラート

 今日の新規陽性者数34人で小池都知事は東京アラートを発動。

 『30人以上は5月4日以来、院内感染もあるがその陽性者の大半は新宿エリアなどの夜の飲食業関係から出ている。これでステップ2から1に戻るわけではないが、改めて原点に立ち帰って意識を持っていただきたい。』

 『モニタリング指標は7つあるが、医療部門については重症患者は減っていて現在26人、入院者数も減っている、最大3300床のうち1000床用意している、など医療体制はかなり改善しているが、疫学的な部分で、このところの数字が増加している点で、審議会の意見も聞いて警告の意味も含めて発動した。』

 という都知事の会見です。こうして文字起こしすると、感染者数という誰も全貌を掴むことができない数を元に行政が判断していることが、いかに非科学的であるのか解ってしまいます。

 それでも4月の緊急事態宣言時は、医療サイドのパニックがあった訳でやむ得ない点もあります。が、いったい今回のアラートは何ですか?

 感染者数=患者数 ではありません。今後も検査すれば判明する感染者数は増加します。肝心なことは、今後の患者数に対して、医療リソースに余裕があるかどうかです。

 その意味で、注意喚起することは良いでしょう。ですが、今回まず伝えるべきは、

『本日感染者数が30名を超えていますが、安心してください、現在の医療体制は十分確保されています。ただし一部で院内感染が判明したこと、夜の街での感染が見られましたので、今後もご注意ください。』

 という感じでしょうか。まず安心を伝えること、その上で必要な情報を提供することです。アラートとして赤灯を灯すのも良いでしょう。その昔、「安全だが安心でない」などとバカを言ったヤカラがいましたが、安全を確保し安心を伝えるのが行政の役割です!!