栄枯盛衰
春めいた日曜日になりました。このところ少しづつ『日本の古本屋』へのご注文が増えていまして、今朝は発送日のお問合せもありました。単品スピード決済で即決して下さりましたので、今日の発送に間に合わせることが出来ました。
本局まで自転車で風を受けますので、一応ダウンジャケットをまといましたが少し暑いくらいでした。スズメのさえずりが何時になく歓喜を感じさせます。本局近くの飛鳥高校の植え込みは時々、今は珍しい野鳥のすがたを見ることもあります。
なお、今日は厚冊のレターパックプラスがありましたので窓口で出荷しましたが、通常の本の発送はもっぱらクリックポストを利用していますので、ポスト投函が可能です。平日はだいたい午後6時頃が、土日は午後2時過ぎが最終のポスト回収みたいですので、お急ぎの際はお声かけ頂ければ善処します。緊急事態措置以来、郵便局の深夜営業はございません。
ところで同業の話では、『Amazonマケプレ』の方は注文数、売上とも往時の勢いはなくなったと言います。送料の問題など紆余曲折がありましたので仕方ありません。そもそも古書を売るにはISBNがないと不便だったりして、何かと従来の古書店の慣習から外れていました。そしてメルカリのように手軽に画像を添えた売り方が現れたので、消費者は何でもAmazonで買うことも無くなったのでしょう。
これまでBOOKOFFのせどりをAmazonに出品するビジネスモデルが出品数をけん引してきたと思いますが、メール便の廃止などを契機に現在ではもう、せどり業者は姿を消しつつありました。その間、BOOKOFFも本から家電などの品揃えにシフトしています。新古本を受け皿にした形態は役目を終えたのではないかと思います。
そもそも新刊の物量は古書業界に20年遅れてやって来ると言われます。そして西暦2000年あたりがタイトル数、総冊数ともに出版のピークだったと言いますので、これまでの20年はダブつく新古本に対してBOOKOFFとAmazonが受け皿になっていたのでしょう。
Amazonについては、そのカタログのデータ量が圧倒していますので、とくにISBNのある本であれば検索に便利です。しかしながら、同タイトルの古書の個別性には疎く、新刊との総合販売ですから仕方ないのですが、例えば、初版かどうかなどはあまり意味がなく一様に売られています。そのうえ低価格競争になりますから、悪貨は良貨を駆逐するが如く、品質の悪い古本が悪かろう安かろうで販売される結果になっていると思います。更には出品側にしてみれば、手数料が割高なのです。
GAFAの一角を占めて、ECサイト最大かつ、ビッグデータを扱うサーバーの分野では大儲けをしているAmazonなのですが、こと紙の古本を扱うことについては斜陽の一途だろうと感じます。古本屋に限らず、例えばGoogleが何か今日から無料サービスを始めれば、たちまちその分野の仕事がなくなるといった時代です。
そのうえ今回の戦争が物語るのは、事実上の国連の終焉でしょう。戦後の安保理体制が無実化しました。いろいろな世界で、今後更にパラダイム変換があるでしょう。若い人にはチャンスかも知れません。どうか頑張って生き抜いてください。おじさんは大海の小舟のごとくのらりくらりと嵐に漂うしかございません。