リサイクル
古書籍業は、リサイクル業というかリユースとしてリサイクルの周辺を担っていますので、紙のリサイクルとは勿論、無縁ではありません。
さて、リサイクルという考え、昔からの道徳的感覚として「モノを大切にする」という観点から見てまったく当然のことと思えます。しかしながら、個々のリサイクルを見たとき本当にモノが大切に出来ているのでしょうか?よくよく考えてみる必要があります。
例えばペットボトルの分別回収です。我が街ではもうやらなくなりました。中古のペットボトルを溶かしてまた新たにペットボトルにするには、新品を造るよりも3倍ほど多くの石油が必要なことが明らかになりました。回収のガソリン代、再生産の設備、追加の原料等々、それを考慮すると使ったら捨てる、つまりゴミとして燃やしてしまうのが一番のエコだったのです。
この様な例は、今や社会全般に隠れており、デフレ経済の一因にもなっていると思われます。
そして我々、古書業界も例外ではありません。「捨てるのは勿体無いのでタダで良いから取りに来て欲しい」と言われます。ありがたい話です。本は本のまま再利用しないといけません。紙の資源回収も品質が均一な新聞紙以外は、実は環境破壊ですから。都合よく次の読み手に渡って行くのであれば理想です。
しかし実際はそう上手くは行きません。実はほとんどが燃やしてしまうのが一番環境に優しいのですから。何でも引き受けていたらこちらが潰れてしまうのです。再利用可能な案件か、よくよくその点を踏まえて、買取のご依頼に関して、根掘り葉掘り伺うことにしています。多分、くれてやるのに一々うるさく聞くな、と思われているのでしょうが・・・。