イズムではなく利害損得という現実

 郵便局で出荷を済ませて、今日は神田の本部会館に向かいました。神田と言うと地方の方はJR神田駅を想起される方もいますが、古書店街のあるのは神田神保町、本部会館は三省堂本店の駿河台下から見て明治大学方面の坂を右手に入ったところ、正確には神田小川町です。ウチからの最寄駅は秋葉原乗り換えでJR御茶ノ水駅です。膝の調子を見ながら、久しぶりに電車で通ったのでした。

 火曜日の年内最終市、古典会と洋書会です。特に洋書会は歳末特選市をうたって良品が集まっていました。洋書の骨董品に相当するアンティークものが最終台の赤毛氈にズラリと並んでします。その他、日本書も人文・社会科学系の良書がたくさん集まっていました。

 入札したいものもありましたが、ここはグッと唾を飲み込んで見るだけで戻って来ました。とにかく店内整理を進めないといけません。明日は支部市の年内最終です。それに向けてせっせと荷造りしました。

 さて、予断を許さない海外情勢が気になりますが、ここは一歩引いて、時代は日露戦争前夜の話。利害が交錯すると言う話です。

 当時、不凍港を求めて南下を狙うロシア帝国に対して、やがては世界最強のコザック騎兵隊に日本も蹂躙されてしまうかの様な危機感のなかで、英米の資金協力を得て、旅順攻略、日本海海戦勝利、奉天会戦を経て、米国の仲裁で辛くも勝利したと言うのが、ザックリと教わる話です。

 歴史小説の「坂の上の雲」などもその様なあらすじだったかと思います。

 ところが近年、ロシア側から出て来た資料によると、当時のロシア帝国は再三再四、大日本帝国に対して極東の共同開発を求めていたことが分かって来ました。もしも、日露が組めば、欧州にとってはその後の脅威となり別の世界観も広がっていたことでしょう。今になってようやく、日露の仲を裂く工作があったことについて研究が進んでいます。ロシア皇帝の親書を上奏せずに揉み消した輩もいるということでしょう。

 見方を変えれば、日本はまんまと英国などの口車に乗って、ロシアの勢いを削ぐべく代理戦争を行ったとも言える訳です。また日本は諜報活動の一環として、ロシア革命に金銭的に支援して、ロシア帝国内部から腐らせる工作活動をしました。日本の国体を考えれば、コミュニズムに肩入れするなどあってはならないのですが、敵の敵は味方と言う方便です。

 今日の世界を惑わすコミュニズムの台頭、すなわちソビエトの成立に日本が一枚噛んでいたことは否めません。

 この様に現実の歴史は、金銭の流れなど、その場その場の利害損得で揺れ動いていくのだろうとつくづく思います。主義主張など、イズムを簡単になし崩しにする点では、人間の弱さを見るのです。大東亜戦争と同様、天皇陛下は最後まで日露開戦に反対であったことは忘れてはならないでしょう。

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