内側から腐り始めています

 経済政策としては失敗した江戸の三大改革を、質素倹約という道徳の基本に話をすり替えて、まるで良い施策であったかのように思い込まされているので、緊縮財政は常に正しいかの様に錯覚します。資本主義経済というのは、誰かの支出は誰かの収入であり、そうしてグルグルとお金がめぐることで成り立っていることを忘れがちです。必要以上に溜め込むことは罪とも言えそうです。

 そこでお祭り、フェスティバルなどというものは散財する良い機会を提供してくれます。イベント事は日常を離れた金銭感覚を誘います。運営に際しても、ざっくりとした予算執行であったり、田沼政治が存在することも、お祭り気分で容認されたりしてしまうのが現実社会です。

 その意味からもオリンピックは世界最大のお祭りでしょう。アスリートファーストと言いながら、必ず経済効果がうんぬんというお金の話が当然のこととして出てきます。そこでは必ずしも良いお金の使われ方がされているとは言えないのは、大人の思うところです。

 今、海外からの観客が無くなる状況で、ホテル投資などの大規模なものから、飲食業や小売業などの零細に至るまで、先行投資に対して便乗効果が得られなくなって回収もままならない話も少なくないでしょう。今なおついて行けているのは、組織委員会からの予算執行と直接に関わっている方々だけなのではと思います。

 その大会予算ですが、多少の大人の事情は想定内にせよ、巨額な税金が投入されていますので本来なら精査されるべきものですが、これまでおざなりにされて来ました。大会を終えて解散してしまえばもう分らなくなるという特殊事情もあったでしょう。ところが、普通の庶民感覚からは大きく逸脱した予算執行について、コロナ禍の負荷もあるのでしょう、良心に耐えられずに内部告発の声が出始めました。そして、一方でスポンサーをかっているマスコミが揉み消すこともなく、その告発を取材する様な動きが出ています。

 オリンピックをやるもやらぬも外野で言っているうちから、大会組織委員会はすでに内部崩壊が始まっている様です。。。