残り物には福がある
「さよなら我楽多市」の初日は、多くの方々にご来会頂きまして盛況でした。ありがとうございます。金曜日の古書会館、業者の市場では明治古典会が開催されています。ご同業の中には、抜け目なくせどりに来会されるツワモノもいらっしゃいます。たとえ同業者であっても、開場を前に早くから来られた方々と一緒に並んで頂きまので、争奪戦です。
往時ならば、いい大人がダッシュで殺到するシーンもありました。和洋会なら〇〇堂書店とか、趣味展なら〇〇書房とか、その会その会で売り頭の棚を目指して、、、押し合いへし合いになって、陳列台の前に陣取るのに肘鉄で牽制する様な場面もあったと懐かしく思い出されます。
我楽多市ならば、Sさんは良心的な値付けをされることで知られていますので、目標の棚のひとつに上がるでしょう。新橋や西部会館など催事を中心に活動されていてネット販売はされていません。今日の極端なネット価格に対して、いわば反骨心の塊です。長年に渡って市場運営にも携わっていてネットで高いものも熟知されてはいますが、たとえご自分が窮乏しても、良書を適正価格で愉しんでもらいたいというのです。
Sさんは普段からその様ですから、今回は我楽多市の最期に当たってさらに充実の品揃えと格安さでした。ですから夕刻にはあらかた目ぼしいものは売れてしまいました。それでもまだまだ、残り物には福があると言いますから、ご来会頂けますようによろしくお願いいたします。
たとえば書店さんによっては、目録の原稿締め切り後に、出張買取に出て入手したものが投入されている場合もありますので、来てみないと出会えない品々もあると思います。。。