土台から無理な原発
きょうも暖かいです。この陽気は眠気を誘います。季節の変わり目はホルモンバランスが動きますので尚更です。さて日本政府は、対露経済制裁をさらに強化していく模様です。ウォッカなど酒類ほかが禁輸となるそうです。またロシア政府の家族や関係団体の資産凍結、またズベルバンクやアルファバンクの凍結も決まりました。
裏を返せば、なかなか経済制裁が効かないということでしょう。やはり食糧とエネルギーを自給できる国は強いです。日本政府にはバイデン政権に同調する余りやり過ぎない事を願います。見せしめに日本海に核を撃ち込まれることも想定されていますので。
ところで、岸田首相はエネルギー価格の高騰を受けて、禁断の原発に言及をはじめた模様です。これまた英国のジョンソン首相が原発を2030年までに最大8基の新設をし、ロシア依存からの脱却を目指すという発表に追従するかの如しです。
ところで原発の再稼働については、既に科学的に結論が出ていることは、国民の多くにあまり知らされていません。科学的にはNGだけど、安全性は置いておいて政治的に稼働させることについては司法は関与しないという判例が出ています。つまりそのうち壊れるかも知れないけれど、だましだまし使いましょうという、まるで自転車でも扱うようなレベルの話です。
これが電力業界の不都合な真実ですから、被災地に近くて損傷の可能性があった東日本側の原発は稼働できないのが実情です。科学的結論というのは、そもそもが原子力発電を始める鼻から、耐震思想が未熟であって、地震国日本に相応していなかったということです。日本では少なくとも1000ガルの耐震設計がプラント全体で必要だといわれていますが、初期の原発は400ガル程度にしか耐えられませんでした。原子炉だけ強くてもダメです。配管や電線など含めて、土台から耐えないといけません。停止時でも燃料棒の冷却が必要だからです。
そこで追加工事で補強したといいますが、根本からの設計思想が誤っていますのでイケません。そして3.11において東日本側の原発は細部に於いて壊れたのが現実です。1000ガルという耳慣れない単位を持ち出すところに誤魔化しもあるのでしょう。震度5を超える地震、震度6にはまったく耐えません。その一方、実は一般住宅は2000ガル以上の耐震設計が普通です。なかには5000ガルを超える三井ホームなどもあります。
つまり現在の原発の耐震設計は、一般住宅の半分以下に過ぎず、仮に震度6に耐える設計をするとしたら、莫大な建設コストがかかりますので作れない訳です。日本のような地震国では、原発は土台から無理ということです。それが分かっているのに、政府はまただましだまし使うと言い出しているのでした。
ちなみにメディアはこの件を積極的に報じません。電力業界は日本最大の利権のひとつであり、莫大な広告費がバラ撒かれています。学界には莫大な研究費、官僚には天下りのポストです。もちろん自民党の票田です。岸田さん大丈夫?