電子版のある本は、、、

 今日もまた朝から断続的に強い雨です。しかし10時ごろからはピタッと止んで、青空が広がりました。

 せっかく晴れ間もあったのですが、また今日もダメです。居座った前線を這う様に断続的に雨雲がやって来ます。しかし今日は閉める訳には参りません。探求書ご依頼の方が、わざわざ遠くから来ることになっています。ですがこの雨です。何なら郵送した方が良さそうです。

 暫くすると雨を縫って無事ご来店くださりました。

 途中まで図書館で借りて読んだのですが、、、新刊では絶版とのことで代わりに手配しました。海外文豪の翻訳です。何故か文庫も存在しない様で。古本ではネット上、軒並み定価越えです。旧訳も存在しますが、美本となるとさらに高い。

 ですが先日の対話から、新旧訳とも欲しいと言われて手配しました。もう今時は誰もがネットを使うのが普通ですから、探求書の代行は全く先のないビジネスです。今日のかたは、ネットが苦手でした。現状ではまだそういう需要はありますが、もう10年と経たずに必要なくなるサービスだと思っています。

 そもそもが、紙の本はいよいよ難しいでしょう。思えばミレニアムとともに活版印刷は終焉しました。当時の仕事の関係でそれを看取ったのです。また今を去ること30余年前、写植のアルバイトをしていましたが、小説の活字は電算処理、雑誌の見出し等にわずかに写真製版が残されていました。

 古書と新刊のタイムラグは20年と言われます。主にこの20年間の活字の本は、これから古書市場のボリュームを占めるはずですが、個人的にはもうそれは本ではないと思っています。原稿は電子ファイル、印刷はオフセット、綴じはあじろです。

 絶版という本来絶望的な概念は、そこにはありません。モノに人手の想念もありません。二次元的なのです。例えれば古切手と今のシール切手の質感の違いでしょうか。

 ここに対しては、もう自身のやる気はありません。電子版があるならそれで済ませばいいでしょう、とまで思います。わざわざ紙の本は今更感があります。

 その一方で、カラー印刷の技術はこの20年目覚しいです。

 商材としては、前世紀までの本来の古本と、最新の画集や写真集、その他、、、と益々なっていくでしょう。平成以降の活字は売り買いとも難しくなると思います。特にこのコロナ禍が、電子書籍の普及に勢いをつけるでしょう。

 あと何年続けるのか、代わりに探してと言われているウチは続けたいのですが。

 

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