人間尊重五十年

 百田尚樹の小説「海賊と呼ばれた男」のモデルにもなった出光佐三。そのモットーとする人間尊重の経営について、佐三の訓辞を集めた「人間尊重五十年」が久しぶりに手元に来ました。

 大東亜戦争の一面としての石油利権の争奪という点で、敗れた日本にあって、日本人の矜持を失うことなく、オイルメジャーと渡り合い、その隙を掻い潜って国交の無かったイランとの取引に成功する事で、日本はオイルメジャーの完全な隷属から辛うじて独立を保てたのですが、その出光の経営哲学を直に伝える書です。

 必ず手元に置いておきたい本ですが、毎回毎回つい売れてしまいます。こちらは函装のハードカバーですが、昔は出光興産の店主室にお願いすると、並装の普及版を送って頂けました。(現在の出光は業界再編によって既に個人商店ではありませんので、創業の精神がどれだけ残っているのか知りません。)

 例えば、本書の内容に多少なりとも触れていたならば、今回のパンデミックであっても、もうちょっとマシな対応が出来るだろうに、残念です。

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