雄気堂々
テレビを見ないので詳しいことはわからないのですが、今年のNHK大河ドラマは渋沢栄一と聞いています。お隣の王子駅に面した桜の名所、あるいは紫陽花の名所の飛鳥山は渋沢栄一の邸宅で、記念館になっています。少し距離はありますが、当店の辺りもお膝元ということになります。
加えて自身の田舎が埼玉県北という縁があり、その名前は子どもの頃から教えられていました。深谷ではありませんが、近隣には赤レンガの建物があってそのゆかりが偲ばれます。
そういう関係で大人になってから興味を持って、城山三郎の「雄気堂々」を読んで、血洗島に行ってみたり、栄一が二松学舎で講義した「論語講義」を学んだりしました。
本屋になって、渋沢関連のモノが出れば買うようにもしていましたが、売るわけでもなく仕舞い込んでいました。最近になって、店内を整理していたら、それらが出て来ましたので、いい機会ですから店頭にさしました。
話は変わって、今日のニュースで関心を寄せたのは、楽天と日本郵便の資本提携の話でしょう。楽天は以前、ショッピングモールにおいて、サイト運営側からの送料のフォローが出来ていない点で、店舗側と対立したと聞いています。
Amazonは自社倉庫に出品を集めてそこに郵便局も構えて発送する形で有利な大口契約を勝ち取っていますし、Yahooやメルカリはe発送のシステムを郵便局と連携することで有利な大口契約を得ていますから、楽天の各店舗毎に任せる発送方法は通販サイトとしては価格競争力に劣る状況でした。楽天の今後に期待します。
書籍販売については、この送料問題は深刻で、郊外の新刊書店を潰す一因であったろうと思います。ネット販売で新刊本を送料無料にすれば、実質の値引きです。これまで再販制度に守られ全国一律の価格であった新刊本がネットで買うと安いわけですから。その点、ドイツなどは書籍文化を守るためにAmazonの送料無料販売を禁止していると聞いています。
新刊がそれですから、当然古書価格にも及びますし、発送方法についても厚さの制限などで送料が変わりますから、より廉価で粗雑な発送が目立って来ました。
つまり合理的な大量流通に伴って、より廉価で便利なサービスを共有できる反面、粗野で陳腐な社会に流れてきたと感じます。
日本は黒船には弱いです。ドイツとは同じ敗戦国ですが、乱暴に言えば、要は逆らえば原爆ですから、戦後の日本は矜持を失いました。今、アメリカの覇権が弱まるにつれて、自立せざるを得ない状況に向かっています。海外資本の土地購入すら制限できないなど、正気の沙汰ではありません。。。